近年の調査とメタ解析は、子どものスクリーン利用が**“何を・どう使うか(質)”**によって結果が大きく分かれることを示しています。
教育的で社会的なコンテンツや、親が一緒に関わる双方向のやり取りが行われる利用は語彙や認知、社会性の向上とつながる一方、長時間の「受動的な動画視聴」や「年齢に不適切な内容」は発達への負の影響と関連していました。
(研究報告の一例)
1歳時点でのスクリーンタイム(スマートフォンを含む)が1日1時間を超えると、2歳および4歳時点でのコミュニケーション能力や問題解決能力の発達遅延と有意に関連することが日本の大規模コホート研究で示されています。
(JAMA Pediatrics)
(Screen Time at Age 1 Year and Communication and Problem-Solving Developmental Delay at 2 and 4 Years)
この点を踏まえると、愛知県豊明市が示した「1日2時間を目安にする」という条例は、子どもの睡眠や生活リズムを守るための分かりやすい目安として有意義です。
しかし研究は「時間だけでは不十分」とも指摘しており、家庭ではコンテンツの選び方・親子での関わり・メディアを使わない時間の確保といった“質”への配慮が重要です。
家族でメディアプランを作り、親も率先してルールを守ることが、デジタル時代の子育てで最も効果的なアプローチと言えるでしょう。
最後に
「時間を決める」→良いスタート。
次に「何を」「誰と」「どのように」使うかを一緒に決めること。これが、スマホと上手につきあって子どもを育てるために重要だと思います。