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研修会で学んだこと ― 若年層の薬の不適切使用について

先日の研修会では、若年層における薬の不適切な使用(オーバードーズなど)に関する分科会に参加しました。背景や対応事例が紹介され、とても印象に残っています。

心理学者エリク・ホーンブルガー・エリクソン氏は、人の発達を八つの段階に分けて捉えています。その中で、13歳から22歳にかけての青年期は「アイデンティティの確立」と「役割の混乱」が対立する時期とされます。

この時期は、

  • 自分が何者なのか

  • 将来どの方向に進むのか

といったことに迷い、異なる価値観や信念の間で揺れ動くことがある、と説明されています。

こうした揺らぎの中で、子どもは「自主性」を身につけていきます。その過程では、周囲の大人の関わり方が大きな影響を与えるそうです。

自由に行動できる余地を残しつつ、迷ったときには道しるべを示す――そのバランスが大切であると学びました。

オーバードーズに至る背景には、このような成長過程での迷いや不安、ストレスが関係していることもあると考えられます。

また、自主性が育つ時期には個人差が大きく、30歳近くまで続く場合もあるといわれています。大人になっても迷いや不安を抱えることは自然なことなのかもしれません。

今回の研修を通じて、薬剤師として子どもの成長段階や心の揺らぎを理解することが、支援や相談対応の一助になると感じました。

そして地域薬局は、気軽に立ち寄れる身近な場所だからこそ、

  • 体調の相談はもちろん、心の不安にも耳を傾けること

  • 必要に応じて専門機関や医療につなぐこと

といった役割を担えると考えています。

子どもも大人も安心して過ごせる地域であるために、私たち薬局もその一端を担っていきたいと思います。

(※「エリクソンの発達段階」で検索すると、さらに詳しく知ることができます。)