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コメントから気づいた、漢方の備え

先日の記事に、
「熱が出た時に適切な漢方薬を選ぶ重要性がよく伝わりました。備えとして複数の処方を揃える場合、それぞれの見極め方をどのように学べば良いでしょうか。」
というコメントをいただきました。

とても大切なご質問だと感じています。

実際に風邪の漢方薬を選ぶ際には、人の抵抗力と病邪とのせめぎ合いをどう見極めるかが重要になります。古くから「太陽病・少陽病・陽明病・太陰病・少陰病・厥陰病」といった六段階の考え方がありますが、同じ段階であっても体力や体質によって現れ方は異なります。そのため、処方を一律に決めることはできません。

一例を挙げますと、太陽病では「自汗なし(自ら汗が出ない状態)」を指標とすることが多いのですが、体質によっては同じ段階でもジワッと汗が出る方もおられます。こうした違いが、処方選びを複雑にしています。

コメントへのお答えをまとめようとしましたが、私は普段からご相談者の体質や生活の背景を踏まえてお薬を提案しているため、「この症状ならこの処方を備えておけば安心です」と一言で言い切ることはできませんでした。

そうして考えを巡らせる中で改めて気づいたのは、普段から信頼できる薬局とつながり、自分に合った備えを一緒に整えておくことこそ大切だということです。


この気づきを与えてくださったコメントに、心より感謝いたします。