そのフィルムには、理由があります。
「開いてるのか分からなくて、ちょっと迷いました」
ある日、そんな声をかけてくださったお客様がいました。
ごもっともです。お店というのは、外から中の様子が見えると、ほっとして入りやすくなるもの。
明かりがこぼれ、人の気配が感じられるだけで、ふと足が向く…そんな経験、きっと誰しもあると思います。
けれど当薬局のガラス扉は、しっかりとスモークがかかっていて、中の様子が少し分かりづらくなっています。
これは、商売としては“逆行”に見えるかもしれません。
外から明るく見えることが、お店にとってどれほど大切かは、私たちも十分に理解しています。
それでも、フィルムを貼らざるを得なかった理由があるのです。
あの日の午後、まぶしい陽ざしの中で、私はその「理由」に出会いました。
道向かいの駐車場に停められた車のフロントガラスが、午後の日差しを受けて、鏡のように反射した光がまっすぐ店の入口に突き刺さるように差し込んできたのです。
それはただ眩しいというレベルではなく、目が眩むほどの閃光。
もし体調を崩された方や、目にお病気がある方がこの光を浴びたら…そう思うと、胸がざわつきました。
「これは放っておけない」
そう強く感じた私は、すぐに信頼しているデザイナーに相談しました。
「店の開放感は守りたい。でも、お客様の安全も守りたい」
そんな相反する願いに、彼は丁寧に耳を傾け、一緒に考えてくれました。
のれんや店舗の外に目隠しを設置する…いろんなアイデアを出し合いましたが、最終的には一つの結論にたどり着きました。
「本当に守るべきものは、お客様の安全」
そうして、私たちは遮光フィルムを貼る決断をしたのです。
それからというもの、「閉まってると思いました」と言われることが時々あります。
きっと「閉まってる」と思い通り過ぎてしまった方も、いらっしゃったかもしれません。
でも、このフィルムの向こうには、ただの薬局ではなく、安心して頼っていただける場所をつくりたいという私たちの想いがこもっています。
どうぞ、ためらわずに扉を開けてください。
光をやさしく和らげたその先で、私たちは今日も変わらず、あなたをお待ちしています。
「最大よりも最良の薬局たらん」
当店が所属している相談薬局の一般社団法人のスローガンです。
ご来店いただく皆様に『最良』の薬局サービスを提供できるように研鑽している団体です。
そんな私たちだからこそできることがあります。
匿名でのご相談も受けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
なお、LINE@のトークは1対1トークになることを申し添えます。
(担当:アカホシ)